実家に誰も住まなくなった
片付けのほかに、何をしなければいけないのか分からない

片付けなければと思うのですが、私は離れた所に住んでいて、片付けのほかに何をしなければいけないのかも分かりません。
「40代から始める片付け|リバウンドなし&不用品売却ガイドブログ」のりょうこです。
実家に誰も住まなくなると、まず思い浮かぶのは家の中の片付けかもしれません。
ただ、空き家になった実家には、片付けより先に確認しておきたいことがあります。
また、片付けが終わるまでの間にも、続けていくことがあります。
この記事では、実家が空き家になったときに、何から順にやればいいのかをまとめました。
片付けそのものは、急がなくてかまいません。
期限のあるものを先に確かめておけば、片付けは家族のペースで進められます。
制度の内容は、法務省・国土交通省のページと、空家法の条文に書かれている範囲で紹介しています。
内容は2026年10月に各ページを確認したものです。
空き家になった理由で、最初にやることが変わる
実家が空き家になる理由は、家庭によって違います。
親が亡くなった場合と、親が施設や子どもの家に移った場合とでは、最初にやることが変わります。
2つを並べると、次のようになります。
| 親が亡くなった場合 | 親が施設や子どもの家に移った場合 | |
|---|---|---|
| 家の持ち主 | 相続人に移る | 親のまま |
| 最初に確認すること | 相続の確認(相続放棄を考えるか、相続登記) | 親本人の意思(残したい物、家をどうしたいか) |
| 片付けの進め方 | 遺品整理として進める | 親と一緒に、または親に確認しながら進める |
いちばんの違いは、表のいちばん上の行「家の持ち主」です。
親が亡くなった場合は、家は相続の対象になります。
親が施設や子どもの家に移った場合は、相続は起きておらず、家の持ち主は親のままです。
どちらにあたるかで、このあと読む節が変わります。
まずは、実家がどちらにあたるのか、表で確かめておきましょう。
親が亡くなった場合は、相続のことを先に確認する
親が亡くなった場合は、片付けを始める前に、相続のことで確認しておきたいことが2つあります。
1つは、遺品の処分と相続放棄の関係です。
もう1つは、相続登記の期限です。
遺品を処分する前に、相続放棄を考えるか確認する
遺品を処分すると、相続を承認したとみなされる場合があります。
そのため、相続放棄を考える可能性があるなら、家の中の物を処分する前に確認が必要です。
相続放棄の期限(自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内)や、遺品の処分との関係は、遺品整理の記事にまとめています。
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相続放棄を考える可能性がある場合は、遺品を処分する前に、家庭裁判所や専門家に相談してください。
家の中の片付けは、この確認が済んでからでも遅くありません。
相続登記は、取得を知った日から3年以内
親が持っていた家や土地には、相続登記の期限もあります。
法務省によると、相続登記の義務化は令和6年4月1日から始まりました。
相続人は、不動産(土地・建物)を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をすることが法律上の義務になっています。
正当な理由がないのに相続登記をしない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
過料は、10万円以下の範囲内で裁判所が決めます。
令和6年4月1日より前に相続したことを知った不動産も、相続登記がされていなければ対象です。
その場合は、令和9年3月31日までに相続登記をする必要があります。
詳細や不明点は、お近くの法務局に相談してください。
(出典)法務省「相続登記の申請義務化に関するQ&A」
→ https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
登記に必要な書類を先に探しておく
家の中を片付けていると、家に関わる書類が、ほかの紙類に紛れていることがあります。
たとえば、不動産の登記識別情報通知や、固定資産税の納税通知書などです。
どの書類を何に使うかは、法務局に相談するときに確かめましょう。
片付けの途中で手放してしまわないよう、見つけたものからひとまとめにしておくと安心です。
書類の残し方は、こちらにまとめています。
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期限があるのは、相続の確認と相続登記です。
片付けそのものには、期限はありません。
この2つを確かめておけば、家の中の片付けは落ち着いて進められます。
親が施設などに移った場合は、親本人に確認する
親が施設や子どもの家に移った場合、相続は起きていません。
家の持ち主は、親のままです。
家の中の物も、親の持ち物です。
片付けや処分は、親本人の意思を確認しながら進めましょう。
聞いておきたいのは、残しておきたい物はどれか、家をこの先どうしたいか、といったことです。
実家で一緒に確かめながら進める場合もあれば、離れた所から一つずつ確認をとりながら進める場合もあります。
我が家で実家を片付けたときは、玄関から始めました。
両親と「これは捨てる?」「これは残す?」と、一つひとつ確認しながら進めていきました。
泊まり込みで片付けるときは、1時間ごとに小休憩を挟み、夕方以降は両親とゆっくり過ごす時間をあえて作りました。
親と一緒に進める実家の片付けは、こちらにまとめています。
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まずは、残したい物と家のことを、親本人に聞いてみましょう。
片付けが終わるまでの間も、家の管理は続く
片付けには期限がない一方で、家の管理は、片付けが終わるまでの間も続きます。
ここでは、空き家の管理について、法令と国土交通省の資料に書かれている範囲で紹介します。
空き家の持ち主には、適切に管理する努力義務がある
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)の第5条は、「空家等の所有者等の責務」を定めています。
条文は次のとおりです。
「空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する空家等に関する施策に協力するよう努めなければならない。」
空き家の持ち主や管理する人には、適切な管理に努めることが求められています。
(出典)e-Gov法令検索 空家等対策の推進に関する特別措置法 第5条
→ https://laws.e-gov.go.jp/law/426AC1000000127
管理しないままだと「管理不全空家」「特定空家」になることがある
国土交通省の資料では、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている空き家を「特定空家等」としています。
特定空家等には、市町村から助言・指導、勧告、命令、代執行の措置がとられる場合があります。
その後の法改正で、放置すれば特定空家等になるおそれがある空家等を「管理不全空家等」とし、市町村が指導、勧告できるようになりました。
改正法の施行日は、令和5年12月13日です。
特定空家等になる前の段階でも、市町村から指導や勧告を受けることがある、ということです。
(出典)国土交通省「「空家法」と「2023改正空家法」」
→ https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001753652.pdf
(出典)国土交通省「「空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」等を閣議決定」
→ https://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000183.html
勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例から外れる
住宅用地には、固定資産税の負担を軽くする「住宅用地特例」があります。
国土交通省の資料では、特例の内容が次のように示されています。
小規模住宅用地(200㎡以下の部分)は、固定資産税の課税標準が1/6に減額されます。
一般住宅用地(200㎡を超える部分)は、固定資産税の課税標準が1/3に減額されます。
同じ資料には、総務省の通知で、次のような場合は特例の対象となる「住宅」に当たらないとされている、とも書かれています。
- 構造上、住宅と認められない状況にある場合
- 使用の見込みがなく、取り壊しを予定している場合
- 居住のために必要な管理を怠っている場合などで、今後人が住む見込みがないと認められる場合
管理不全空家や特定空家として市区町村長から勧告を受けると、その敷地は固定資産税の住宅用地特例の対象から外れます。
前の節の資料でも、特定空家等について「指導に従わず勧告を受けた場合は、固定資産税の住宅用地特例が解除される」と説明されています。
空き家になったことだけで特例から外れるわけではありません。
ただ、管理を怠って人が住む見込みがないと認められる場合や、勧告を受けた場合は、対象から外れることがあります。
(出典)国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」
→ https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/002019834.pdf
空き家の管理で続けること
空き家の管理では、たとえば次のようなことを続けていきます。
- 家の中の換気をする
- 郵便物を確認する
- 庭や敷地の草木の手入れをする
- 雨漏りや破損がないかを確認する
- 近所の人に連絡先を伝えておく
一人で全部を受け持たなくてもかまいません。
遠方に住んでいて通うのが難しいときは、近くに住む家族や親族と分担する方法もあります。
管理のしかたに迷うときは、市区町村に空き家の相談窓口があるか問い合わせてください。
家の中の片付けは、物の種類ごとに手放し方を選ぶ
期限のあるものを確認したら、家の中の片付けは家族のペースで進めましょう。
手放し方は、物の種類ごとに違います。
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの家電は、こちらで処分方法をまとめています。
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タンスやベッドなどの大型家具は、こちらの記事が参考になります。
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粗大ごみとして自分で出す方法は、こちらにまとめています。
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農機具が残っている場合は、こちらを参考にしてください。
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重機が残っている場合は、こちらにまとめています。
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量が多いときや、自分で運び出せないときは、業者に頼むこともあります。
私も、祖父の遺品を整理していたときに、外を通った無料回収業者のトラックを呼び止めて相談したことがあります。
国民生活センターが挙げている確認点は、遺品整理の記事にまとめています。
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家電、家具、納屋の物と、種類ごとに分けて考えると、手をつける順番も決めやすくなります。
全部を一度に片付けようとせず、できる種類から進めていきましょう。
その後、家をどうするかは家族で決める
片付けが進むと、この家をこれからどうするか、という話になることもあります。
選択肢としては、住む、貸す、売る、解体する、などがあります。
どれを選ぶかは、家族の事情によって違います。
親が施設などに移った場合は、家の持ち主である親本人の考えも聞いておきましょう。
決めるまでの間も、前の節で紹介した家の管理は続きます。
可能であれば早く決めるほうが次の行動が決まりやすいので、おすすめです。
空き家になった実家で、最初にやることの順番
ここまでの内容を、順番の目安としてまとめます。
- 空き家になった理由を確認する(亡くなった/移った)
- 亡くなった場合:遺品を処分する前に、相続放棄を考えるか確認する
- 亡くなった場合:相続登記の期限(取得を知った日から3年以内)を確認し、法務局に相談する
- 移った場合:親本人に、残したい物と家をどうしたいかを聞く
- 片付けが終わるまでの管理を、家族で分担する
- 片付けは、物の種類ごとに手放し方を選ぶ
親が亡くなった場合は、2番の確認を、遺品を処分する前に済ませておいてください。
それ以外は、家族の都合に合わせて、できるところから進めていけばOKです。
空き家の片付け よくある質問(FAQ)
Q1. 片付けはいつまでに終えればいいですか
片付けそのものに、期限はありません。
ただし、親が亡くなった場合は、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に、相続登記をする必要があります。
相続放棄を考える場合にも期限があり、遺品整理の記事で紹介しています。
どちらも、片付けとは別に確認しておきましょう。
Q2. 遠方に住んでいて、管理に通えません
近くに住む家族や親族と、管理を分担する方法があります。
換気や郵便物の確認など、先に挙げた項目を、誰が受け持つか決めておくと進めやすくなります。
市区町村に空き家の相談窓口があるか、問い合わせてみてください。
Q3. 空き家にすると、固定資産税は上がりますか
空き家になっただけで、固定資産税の住宅用地特例から外れるわけではありません。
ただし、居住のために必要な管理を怠っていて、今後人が住む見込みがないと認められる場合は、特例の対象となる「住宅」に当たらないとされています。
管理不全空家や特定空家として市区町村長から勧告を受けると、その敷地は住宅用地特例の対象から外れます。
家の管理を続けておくことが、空家法第5条の「適切な管理」にもつながります。
Q4. 兄弟姉妹と、家をどうするか意見が合いません
家をどうするかは、家族それぞれに考えがあります。
決める前に、家族で話す時間をとりましょう。
話がまとまるまでの間も、家の管理は分担して続けておくと安心です。
まとめ
実家が空き家になったら、片付けより先に確認しておきたいことがあります。
親が亡くなった場合は、相続の確認と、相続登記の期限です。
相続放棄を考える可能性があるなら、遺品を処分する前に、家庭裁判所や専門家に相談してください。
相続登記は、取得を知った日から3年以内で、分からない点は法務局に相談できます。
親が施設などに移った場合は、家の持ち主である親本人に、残したい物と家のことを聞いておきましょう。
片付けが終わるまでの間も、家の管理は続きます。
近くに住む家族や親族と分担したり、市区町村の窓口に問い合わせたりしながら、無理のない形を探していきましょう。
片付けそのものに期限はないので、家族のペースで進めていけばOKです。
できるところから、少しずつ手をつけていきましょう。
