何から手をつければいいのか分からない
勝手に捨てていいのかも分からない

どこから手をつければいいのか、業者に頼んでいいのか、家族が勝手に捨てていいのかも分かりません。
「40代から始める片付け|リバウンドなし&不用品売却ガイドブログ」のりょうこです。
遺品整理には、急がなくてよい部分と、先に確認しておきたい部分があります。
この記事では、遺品整理と実家の片付けの違い、そして処分の前・業者に頼む前に確認することをまとめました。
制度や助言の内容は、裁判所・法令・国民生活センターのページに書かれている範囲で紹介しています。
内容は2026年9月に各ページを確認したものです。
手元の状況に当てはめて判断するときは、記事内のリンク先もあわせて見てください。
遺品整理とは
遺品整理は、一般に、亡くなった人の持ち物を、残された家族などが整理することを指します。
法律で決められた言葉ではないため、どこまでを遺品整理と呼ぶかは、家庭によって少しずつ違います。
似た言葉に「生前整理」と「老前整理」があります。
3つを並べると、次のようになります。
| 遺品整理 | 生前整理 | 老前整理 | |
|---|---|---|---|
| 誰が進めるか | 家族など | 本人(家族と一緒に) | 本人 |
| いつ行うか | 亡くなったあと | 元気なうちに | 歳を取る前(40代・50代から) |
| 持ち主本人に聞けるか | 聞けない | 聞ける | 聞ける |
いちばん大きな違いは、表のいちばん下の行「持ち主本人に聞けるか」です。
生前整理と老前整理は、どちらも持ち主が元気なうちに、本人が関わって進める整理です。
生前整理の進め方は、こちらにまとめています。
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老前整理については、こちらの記事で書いています。
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実家の片付けとの違いは「持ち主本人に聞けない」こと
親が元気なうちの実家の片付けは、残すか手放すかを本人に聞きながら進められます。
我が家で実家を片付けたときは、玄関から始めました。
両親と「これは捨てる?」「これは残す?」と、一つひとつ確認しながら進めることができたんですよね。
古いアルバムを片付けていたときには、親が若かった頃の写真が出てきて、そこから昔のエピソードをたくさん話してくれたこともあります。
生前の片付けでは、こうして物の由来や思い出を本人に聞くことができます。
遺品整理では、この「聞く」ができません。
これは誰の物なのか、なぜ取ってあったのか、誰かに渡すつもりだったのか。
本人に聞けない分、残すか手放すかの判断を、家族が引き受けることになります。
そのため、実家の片付けよりも、判断に迷う物が多くなります。
親が元気なうちの実家の片付けの進め方は、こちらにまとめています。
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本人に聞けない片付けなので、迷うのは当たり前です。
すぐに決められない物があっても、そこで無理に答えを出さなくてかまいません。
遺品を処分する前に相続について確認
本人に聞けないことで、実家の片付けにはない確認が増えます。
その1つが相続です。
ここでは、遺品を処分する前に知っておきたい制度を、法令と裁判所のページに書かれている範囲で紹介します。
遺品を処分すると、相続を承認したとみなされる場合がある
民法第921条には、相続人が「単純承認」をしたものとみなされる場合が定められています。
単純承認とは、亡くなった人の財産や借金などを、すべて受け継ぐことです。
第921条の柱書には「次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。」とあり、第1号には「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。」と書かれています。
遺品の処分が、この規定に関わる場合があるということです。
同じ第1号のただし書きでは、「保存行為」などはこの限りでない、とされています。
どんな行為が「処分」や「保存行為」にあたるかは、個別の事情によって判断が分かれるようです。
(出典)e-Gov法令検索 民法
→ https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
相続放棄の期限は3か月以内
裁判所のページでは、相続が開始したとき、相続人は3つのうちのいずれかを選べると説明されています。
- 財産や借金などをすべて受け継ぐ「単純承認」
- 一切受け継がない「相続放棄」
- 相続によって得た財産の限度で、借金などを受け継ぐ「限定承認」
相続放棄をするには、家庭裁判所に申し出をします。
申し出は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならない、と定められています。
申し出先は、亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所です。
(出典)裁判所「相続の放棄の申述」
→ https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_13/index.html
迷うときは専門家に相談する
借金があるかもしれない、財産の内容がよく分からない、ということもあります。
相続放棄を考える可能性がある場合は、遺品を処分する前に、家庭裁判所や、弁護士・司法書士などの専門家に相談してください。
どの物なら処分してよいかは、この記事では答えを出せない部分です。
先に相談して確かめてから手をつけるほうが、あとでややこしいことにならずに済みます。
大事な書類を先に探しておく
処分を始める前に、大事な書類がどこにあるかを探しておきましょう。
たとえば、通帳、保険証券、年金手帳、不動産の登記識別情報通知などです。
片付けの途中でほかの紙類と一緒に手放してしまわないよう、見つけたものから1か所にまとめておくと安心です。
どの書類を残すかの考え方は、こちらにまとめています。
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相続と書類の確認は、怖がるためのものではありません。
先に確認しておくことで、落ち着いて片付けを進められます。
遺品を「残す」「形見分けする」「手放す」に分ける
処分の前の確認ができたら、遺品を3つに分けていきます。
残すもの
残すのは、大事な書類や貴重品、家族が残したいと思う物です。
分類を始めると、残すか手放すか決められない物が出てきます。
そういう物のために、「保留」の箱を1つつくっておきましょう。
保留の箱に入れた物は、今決めなくてOKです。
時間をおいて見直すと、決められることもあります。
基本的な片付けのテクニックが活かされます。
形見分けをする
形見分けは、遺品を家族や親しい人に分けることです。
いつ行うかは、家庭や地域によって違います。
家族や親族で話して、無理のない時期を決めましょう。
相続放棄を考えている場合は、前の節のとおり、形見分けの前にも相談してください。
手放すもの
手放す物は、物の種類ごとに出し方が違います。
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの家電は、こちらで処分方法をまとめています。
↓ ↓ ↓

タンスやベッドなどの大型家具は、こちらの記事が参考になります。
↓ ↓ ↓

写真やアルバムの整理は、こちらにまとめています。
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量が多いときや、自分で運び出せないときは、業者に頼むこともあります。

祖父の遺品を整理していたらたくさんの本と服が出てきました。
不要な本は古本屋にまとめて買取依頼。
服は部屋着や作業着にできるものを確保して、他は布ゴミの日に手放しました。
寂しさはありましたが終わったあとはすがすがしい気分になりましたね。
業者に頼むときの注意点
国民生活センターは、2025年10月に、遺品整理サービスのトラブル事例と助言を公表しています。
紹介されている事例は、次の2つです。
【事例1】60歳代の方からの相談
亡父の遺品整理のため、ネットで探した回収事業者に電話で依頼した、という相談です。
当初は20万円ぐらいかかると聞いていたのに、作業後に料金は30万円と言われました。
見積書はもらっていませんでした。
【事例2】60歳代の方からの相談
亡父宅の不用品処分を事業者に依頼した、という相談です。
大切な書類などは残しておく約束だったのに、アルバムや、回線のつながっている電話機まで処分されました。
事業者に苦情を申し出ましたが、ゴミ処理場に運搬済みで取り戻せないと言われました。
国民生活センターは、こうした事例とあわせて、次のような助言をしています。
(出典)国民生活センター 見守り新鮮情報 第525号(2025年10月)
→ https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen525.html
見積もりは複数の業者からとり、書面で受け取る
作業内容や料金は業者によって様々なので、必ず複数の業者から見積もりをとって、契約内容や料金を比べましょう。
事例1のように、先に聞いていた金額と、作業後に言われた金額が違うこともあります。
見積もりは口頭で済ませず、書面で受け取っておきましょう。
契約するときは、次の項目を確認しておきます。
- 作業日
- 具体的な作業内容
- 料金
- 支払方法
- 解約料
- 追加料金がかかる場合があるか
作業のときに、思いがけない追加料金を請求されることもあります。
追加料金が出る条件も、契約の前に聞いておくと安心です。
国民生活センターは2018年にも、見積もりの際にせかされて契約した、解約を申し出たら高額なキャンセル料を請求された、といった相談事例を紹介しています。
(出典)国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」
→ https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180719_1.html
不用品を運ぶ業者は公的許可や委託が必要
遺品や住まいの不用品を廃棄物として収集・運搬する業者は、市町村からの委託業者であるか、市町村長から「一般廃棄物処理業の許可」を受けている必要があります。
国民生活センターは、無許可の業者による不用品の処分は法律違反となり、不法投棄などにつながりかねない、としています。
業者を選ぶときは、その業者が許可を受けているか、市町村の委託業者かを確かめてください。
確かめ方として挙げられているのが、お住まいの市町村の窓口に照会することです。
業者のホームページやチラシだけで決めず、窓口に一度問い合わせてから選びましょう。
買い取りなら古物商の許可を確認する
遺品の中に、売れそうな物があることもあります。
遺品を買い取る業者には、「古物商の許可」が必要です。
買い取ってもらうときは、「古物商許可証」や「行商従業者証」を確認してください。
残す物と手放す物を分けて、作業に立ち会う
事例2では、残しておく約束だったアルバムや電話機まで処分されていました。
国民生活センターは、残しておく遺品と処分する遺品を明確に分け、作業のときはできるだけ立ち会うよう助言しています。
前の節で分けた「残す」「保留」の物は、業者が来る前に別の部屋にまとめておくなど、見て分かる形にしておくとより確実ですね!
「無料回収」のトラックを呼び止める前に
もうひとつ、祖父の遺品を整理していたときの経験があります。
ちょうど外を、無料回収業者のトラックが通りました。
呼び止めて相談すると、「これなら○万円ですね」と言われました。
結局、費用がかかるならこちらで処分する、と伝えて、帰ってもらいました。
「無料回収します」と大きな声でアナウンスしているのに実際には料金がかかる。
こういうケースはとても多いようです。
何万円もかけて処分するのはもったいないので、私は通常のゴミと同じようにして手放しました。
今でもつい契約してないで良かったと思っています。
大型家具を自分で出す方法や、無料回収業者に頼むときの注意は、こちらにもまとめています。
↓ ↓ ↓

業者とのやり取りで困ったときは、お住まいの自治体の消費生活センターなどに相談してください。
消費者ホットライン188から相談できます。
遺品整理の進め方(順番の目安)
ここまでの内容を、順番の目安としてまとめます。
- 相続について確認する
- 大事な書類・貴重品を探す
- 残す・形見分けする・手放すに分ける(迷う物は保留にする)
- 手放し方を選ぶ(自分で出す/売る・譲る/業者に頼む)
- 業者に頼む場合は、複数の見積もりをとり、許可を確認する
1番の確認だけは、遺品を処分する前に済ませておいてください。
無理に順番通りに進めなくてもかまいませんが、この順番で進めていくのがスムーズだと思います。
相続について確認したら、まずは大事な書類を横によけておくと、その後の作業を安心して進められますからね。
遺品整理 よくある質問(FAQ)
Q1. 遺品整理は、いつまでに終えればいいですか
いつまでに終えるかは、家庭によって違います。
ただし、もし相続放棄を考える場合は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内という期限があります。
その場合は、遺品を処分する前に、家庭裁判所や専門家に相談してください。
亡くなった人が賃貸住宅に住んでいた場合は、退去の条件を契約先に確認しておきましょう。
Q2. 遠方に住んでいて、実家になかなか行けません
業者に頼む場合も、残す物は先に分けておきましょう。
国民生活センターは、作業のときはできるだけ立ち会うよう助言しています。
日程を合わせにくいときは、作業日を決める前に、十分に業者と打ち合わせをしておきましょう。
Q3. 写真や手紙、人形など、捨てにくい物はどうすればいいですか
無理に今決めなくてOKです。
保留の箱に入れて、時間をおいてから見直しましょう。
人形などは、供養を受け付けているところもあります。
写真の整理のしかたは、こちらにまとめています。
↓ ↓ ↓

Q4. 兄弟姉妹と意見が合いません
本人に聞けない片付けなので、家族の中で意見が分かれることもあります。
形見分けや処分を始める前に、家族で話す時間をとりましょう。
決まらない物は保留の箱に入れておけば、あとで改めて話すこともできます。
Q5. 遺品整理業者には、どこまで頼めますか
対応している範囲は、業者によって違います。
契約の前に、具体的な作業内容を確認してください。
不用品を運んでもらうなら一般廃棄物処理業の許可か市町村の委託、買い取りを頼むなら古物商の許可も、あわせて確かめておきましょう。
まとめ
遺品整理は、持ち主本人に聞けない片付けです。
そのため、実家の片付けにはない確認が2つあります。
1つは、遺品を処分する前の相続の確認です。
相続放棄を考える可能性があるなら、処分の前に家庭裁判所や専門家に相談してください。
もう1つは、業者に頼む前の見積もりと許可の確認です。
見積もりは複数の業者からとり、不用品を運ぶ業者に一般廃棄物処理業の許可か市町村の委託があるかを確かめましょう。
この2つを確認したら、それ以外は急がなくていい部分です。
決められない物は保留にして、家族で話しながら進めていけばOKです。
家族のペースで、できるところから手をつけていきましょう。
